令和2年7月(文月)の行事予定nado

 

石観世音十七夜・奥の院火祭り&石観世音大祭の取り組み

コロナ禍の下、通常のご参拝や7月17日の石観世音十七夜・奥の院火祭り、7月18日の石観世音大祭などの行事を実施するにあたり、可能な範囲で3密を避ける工夫やマスクの着用、手洗いの実施などに取り組んでいます。

十七夜の奥の院火祭りと護摩祈祷につきましては、昨年同様方丈様と2名のお坊様のご出席で行います。しかし、例年行っています写真のようなお楽しみの夜店の取り組みは中止させて頂きます。18日の観音様の日の「石観世音大祭」につきましても、今回は方丈様とお二人のお坊様によって法要が行われる予定です。例年よりはやや寂しくなろうかと思いますがご了承下さいます様よろしくお願い致します。

石観世音奥の院「天坊魔王」とは……

石観音奥の院の拝殿の中央には、「天坊魔王」と力強く書かれた額が飾られています。この天坊魔王については、聞いたことはあるもののその意味や天坊魔王にまつわるいわれなどについて詳しくはきいたことがありません。石観音の沿革史等の中にもわずかに触れているだけで詳しい記述はありません。そのような中で、浅妻正雄氏(美浜町文化財保護委員)による「わかさ ふるさと散歩」のなかに、「石観音奥の院の天坊魔王を考える」の一文を見つける事が出来ました。その内容から理解できる範囲で天坊魔王について述べてみたいと思います。(このあとで述べている「 」の中の内容は、浅妻氏が石観音初版のパンフレットや石観音の沿革史から引用されている内容です。)

「雄滝を挟み、左手断崖の中腹に社殿を配置、拝殿は右に設けられる。昭和31年越前町矢部三四郎氏の一建立寄進に係るもの、天坊魔王を祭祀す。」(初版のパンフレット)

「天坊魔王」という言葉は、石観音の資料にはほとんど出てこないのですが、このほかにもはっきり出てくる箇所があります。それは、矢部氏が再三病魔や苦難に見舞われながらも石観音のご利益を蒙り、それがきっかけで仏縁を結ぶため奥の院草創を願い出たところ、奥の院社殿を矢部氏が、拝殿を三方区及び石観音が造営することになったといいます。そして御本尊は天坊魔王を招魂すると決められた箇所です。

「社殿用欅材は丹生郡白山村杉山の大山氏より十五尺高一条の欅の根返りして十数年を経た古木を見出し、…製材所にて手挽きで挽き割ったところ、黒石2個が欅材の中に挟まって出てきた。これも偶然とは申しながら奇跡である。故にこれを奥の院のご霊石とし「天坊魔王」の点眼をうけることになった。 昭和三十一年十一月四日午後 点眼式 天坊魔王 招魂」 (石観世音沿革史)

「天坊魔王」に関してはこれ以上の記述はなく、あとは浅妻氏の調査から分かったことの推論という形で論じられていきますが、興味を引く事例が三つありました。

その一つは、三方には昔は鞍馬講があり毎年お詣りしていました。その鞍馬寺の奥の院魔王殿の本尊が「護法魔王」だというが、「天坊魔王」との関わりが不明だと述べています。二つ目は、石観音への信仰心が強い某氏の言葉を取り上げて、“昔、誰か霊感者がつけられた名であると思う。観音様をお守りする天坊魔王だと思います。”は、きわめて示唆に富んだ発想ではないかと思うと述べています。三つ目は、“これを奥の院のご霊石とし「天坊魔王」の点眼をうけることになった”という記述について、「黒い石」の「ご霊石」よりも以前に、早くから「天坊魔王」の名が既に存在していた可能性を主張したいと氏がのべていることも重要です。最後に付け加えて云わせていただけるならば、これは私見ですが、先ほどの“初版のパンフレット”に書かれている内容の「天坊魔王を祭祀す」を、氏は奥の院の社殿そのものと解釈しているようですが、それは“初版のパンフレット”の書き方によるものではないかと考えます。「天坊魔王を祭祀」してあるのは、確かに奥の院ではありますが拝殿の方です。この拝殿は、三方区及び石観音が造営しています。

こうして考えるならばと氏は続けます。“「天坊魔王」は、石観音さん独自の魔王であり、石観音さんをお守りする石観音の魔王ということにもなるのではなかろうか”と。そして、“石観音奥の院ご本尊の名称問題は単に単独に捉えようとしても解明不可能のように思われ、むしろ「天坊魔王」由来伝承との関連において考えた方がより自然で望ましい理解ができると思う様になった”と述べています。どうやら“「天坊魔王」は、石観音さんをお守りする石観音の魔王”ということに落ち着くのではないでしょうか。

7 月 の 行 事 予 定                  

〇 7月4日(土)・石観世音一斉清掃日
〇 7月5日(日)・石観世音周辺の奉仕作業
〇 7月9日(木)・若狭観音霊場会総会
奉賛会解散新若狭観音霊場会改革等について協議します。
〇 7月17日(金)・月次法要・十七夜火祭り
月次法要(午前8時30分)は、毎月17日に行うご祈祷希望者のための合同祈祷の日になっており、ご本人の希望の願意にもとづいてご祈祷が行われます。
石観世音十七夜&奥の院火祭り(午後7時30分)は、地元各組の組長さん方のご協力を得て、提灯・松明・護摩木お焚き上げ等の準備を行い、十七夜火祭りに備えます。
〇 7月18日(土)・石観世音大祭(午後2時)
この日の大祭に参拝して念ずれば、観世音菩薩様と特別の縁を結ぶことができる日、功徳のある日と云われています。
〇 7月31日(金)・月末の合同祈祷日
月末の合同祈祷日(午前8時30分より)です。毎月17日の月次法要と同様に、ご祈祷希望者のための合同祈祷の日になっており、ご本人の希望の願意にもとづいてご祈祷が行われます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA