11月(霜月)の行事予定

                            三方石観世音の要ともいえるお手足型ができるまで

お手足型が奉納されているお手足堂

以前にブログで、「お手渡し」というかたちの手型・足型の利用の仕方を説明したことがあります。三方石観世音のご本尊は、弘法大師が不動岩に彫られた観世音菩薩です。別名「片手観音」とも云われていますが、そのため手足の不自由な方や諸病をかかえている方にご利益があると伝えられ、様々な地域から多くの方が参拝されるようになりました。その時に利用していただいていますのが「お手渡し」にいう「手型・足型」です。
今回は、この「手型・足型」がつくられる過程とそれにまつわる話を簡単に説明させていただきます。

初めに「手型」の作成を説明します。お手足型の工房で、30cmほどの材料板に糸鋸で指の切れ目を入れ、次に指の形に材料板を刻んでいきます。そして手首の形に糸鋸で仕上げ、最後に紙やすり等でこすって丸みを持たせて仕上げます。

続いて、足型の製作です。これは一枚板そのままではできません。足首までと足首から下の足の形の二つを作ってそれを組み合わせなければなりません。それぞれの形に糸鋸で削ります。その二つを釘で打ち付けて足の形に仕上げます。それを紙やすり等で角をとり仕上げます。こうして出来上がった手型・足型に印を押してようやく出来上がりです。何十本、何百本と作成するには時間と根気が必要です。しかも狭い工房ですから糸鋸を使う時に木くず等のほこりがどうしても出ます。それらを吸い取る装置も付けましたが、それでもマスク等をしなければなりません。けっこう大変な仕事です。

こうして出来上がったお手足型を本尊に供えて祈祷していただきます。これが、病気平癒後ご宝前に奉納する新しい手型足型なのです。

この「お手足型」にまつわる興味深い話があります。2011年から調査を続けてこられた武蔵野美術大学の学生さんたちと話し合った時に、一人の学生さんから「古代ギリシャでも大理石で彫られた手型・足型などの習慣があったそうですよ。」と聞かされました。この調査の責任者の神野先生が執筆された日経新聞(2017.4.15)「モノごころヒト語り」で紹介されている記事にも“病気平癒の願掛け奉納”と題してつぎのような一文があります。
「ギリシャ美術専門の教授から、アスクレピオスという病気平癒の神様に民衆が奉納した手足形などが大量に発掘されていることを教わった。三方石観世音の手足形の全容解明はこれからだが、紀元前ギリシャと同様の発想の造形物の奉納習俗が日本に200年来生き続けているのは驚嘆に値する」
価値あるこの石観世音を守り続けてこられた人々の努力に敬服します。上の写真は、今のようなお手足型になる以前の、民衆が「願ばらし」として奉納するために自分で彫り刻んだお手足型です。江戸時代後期から明治期にかけてのものが多いということです。

以下に11月の予定をお知らせして皆様のご参拝をお待ちしています。     〇 11月3日(土)  ・太子祭法要
石観音本堂裏にハイキングコースになっている第三展望台への登り口があります。そこに祀られている聖徳太子像の小さなお堂前で法要が行われます。若狭観音霊場の30番札所である馬居寺には聖徳太子のいわれのある馬頭観音像が祀られていることから考えて、若狭観音霊場の特別霊場の三方石観世音辺りにも聖徳太子が足を延ばしたのではないかと考えても不思議はなさそうですが詳しい資料はありません。お堂の中の太子像は穏やかで色あざやかな美しいお姿を見せています。
〇 11月9日(金) ・石観音清掃日
石観世音委員全員で清掃する日です。
〇 11月16日(金)~18日(日)  ・紅葉のライトアップ
三方石観世音参道の紅葉が見頃を迎えるこの時期に、午後5時から午後7時まで紅葉のライトアップを計画しています。石観音栽培のサツマイモを使った焼き芋の無料振る舞いも計画しているところです。
〇 11月17日(土)  ・月次法要
月次法要は、毎月17日に行うご祈祷希望者のための合同祈祷の日になっています。もちろん祈祷を希望していない方でも自由にお参りできます。
〇 11月19日(月)~22日(木) ・ お手足型保存のための作業
お手足堂に奉納されているお手足型を7~8年前から調査を続けて下さっている武蔵野美術大学の先生と学生さんたちが、今回はお手足型の保存のための洗浄作業を行うということで石観音委員も一緒に作業の手伝いをする予定です。これまでの調査によって地元の委員たちが知らない数多くのことを学ぶことができました。将来はその成果をより多くの方々に知っていただく事も可能になることでしょう。
〇 11月29日(木) ・ 雪がこい作業
昨年は大雪で石観音も除雪作業等で大変でした。例年積雪に悩まされることが多いわけですが、歴史あるこの三方石観世音を守り、後世につなげていくためにも日々のこうした作業も欠かすことができません。過ごしやすい冬であってほしいものです。
〇 11月30日(金) ・月末の合同祈祷
ご祈祷希望者のための月末の合同祈祷日です。(合同祈祷は毎月17日と月末の2回行っています。)

 

 

 

 

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