令和2年2月(如月)の行事予定nado

煩悩を祓う気持ちに平和を願う気持ちを重ねながら…除夜の鐘をつく

 12月28日は全員で新年を迎える準備です。まず煤払いの法要が行われ、その後は30箇所余りのしめ縄飾りと松飾りなどを怠りなく進めました。大晦日の夜は午後5時から元日の7時までを3人の当番で務めましたが、初めての体験でした。 この時の最大の任務は人の心にある煩悩を祓うと云われている除夜の鐘つきです。1回ごとに印をつけながら36回で交代です。初めは108の煩悩を祓う気持ちに平和を願う気持ちを重ねてと思っていましたが、鐘つくほどにただただいい鐘の音を…に集中していました。

今日(こんにち)の鐘撞堂(かねつきどう)・梵鐘(ぼんしょう)に至るまで

  「御参詣なされまして一突きされる鐘の音こそ身も心も清められて平和は日本中に広がるような気がします。ところが当山の鐘も戦争に行ったまま帰って来ません。誠に淋しい気持ちで御座います。この度皆々様の御協力を得まして梵鐘を建立して平和と安泰を祈念したいと存じます。」これは、昭和22年6月に鐘撞堂再建のための協力を呼びかけた文言(もんごん)です。この文言の背景には、次のような重い事実がありました。

【石観音沿革 巻一より】
・明治4年釣鐘堂(つりがねどう)を建立。その釣鐘は遠敷郡金谷村より購入。
・大正6年鍾楼堂(しょうろうどう即ち鐘撞堂)を再建。
・昭和17年10月、第1回金属回収による供出命令を受け、御本尊様大岩周囲鉄柵を取り除き供出す。同年12月に篤志家(とくしか)の寄附を仰ぎ石柱柵を建設す。
・昭和17年11月12日、第2回金属供出命令により梵鐘に赤襷(たすき)をかけ写真撮影をなし供出準備をす。翌13日供出の命ありて真鍮花立て壱個、燭台参個、梵鐘釣り金具等を供出す。
・昭和17年11月14日梵鐘供出日にて当山世話方、区役員全員奉仕にて梵鐘を鍾楼(しょうろう)より卸し、臥龍院大門前広場に運び供出了す。
・昭和22年6月17日戦争のため昭和17年11月14日供出のまま返らざる当山梵鐘の再建の計画を立てる。
・昭和22年8月に様々の調査の上、武生市内の梵鐘鋳造所と12月中に仕上げる内容の契約を結ぶ。
・昭和23年2月梵鐘出来上がり三方駅に到着したるに、当山委員長以下全員・区長以下役員全部奉仕にて当山に運び、鍾楼に取り付け撞鐘式(とうしょうしき)まで白布にて覆うことになった。
・昭和23年3月18日梵鐘の撞鐘式を行い、あわせて当日より七日間ご本尊様の御開扉を行った。この間に汽車による参詣者は三方駅調べで9,389人にも上ったと云う。

石観音鐘撞堂の梵鐘にもこうした戦争の爪痕が刻み込まれており、そこには平和を望む多くの人々の声もまた刻み込まれていました。今更ながらに平和の尊さを思います。

1月4日は石観音の鏡開きで、お供えを頂いた方々にはわずかばかりの鏡餅のおすそ分けをさせていただきました。また、10日は千日参りということで、参拝者の方々には大根炊きの振る舞いをさせていただきました。当日は、気温が低い雨上がりの朝でしたが一時美しい虹がかかり気持ちが和みました。参拝者の方もあったかい大根をおいしい、おいしいとおっしゃりながら喜んでくださいました。皆さんに千日参りのご利益がありますように!

 2月の行事予定

〇 2月3日(月)
・合同祈祷
1月末の合同祈祷は、予定日を遅らせて2月3日の節分の厄祓い・歳祝い祈祷と併せて午前8時30分より行います。ご本人の希望の願意にもとづいてご祈祷が行われます。
・節分の厄祓い・歳祝いの特別祈祷
午前9時より節分の厄祓い・歳祝いの特別祈祷を行います。この日は特別に、午前10時から午後3時までご参拝の方にぜんざいの振る舞いを実施致します。
〇 2月14日(金)・石観音一斉勤務日
武蔵野美大よりもどってきたお手足形を掲示するための一斉作業を行います。
〇 2月17日(月)
・月次(なみ)法要
月次法要は、毎月17日に行うご祈祷希望者のための合同祈祷の日になってお り、ご本人の希望の願意にもとづいてご祈祷が行われます。もちろんご祈祷を希望していない方も自由にお参りできます。
・稲荷大祭
鶏鳴石のそばの稲荷神社での法要を行います。
〇 2月21日(金)・盆梅展準備
盆梅愛好会の皆さんと石観音委員で翌日から開催される盆梅展の準備を行い ます。
〇 2月22日(土)~3月22日(日)・三方盆梅展
三方盆梅愛好会との共催で三方石観世音において盆梅展が行われます。この盆梅展は2月22日より一カ月間本堂の境内や本堂を賑わしてくれます。梅の古木に咲く盆梅は参詣者の心を和ませてくれることでしょう。
〇 2月29日(土)・月末の合同祈祷日
月末の合同祈祷日は、毎月17日の月次法要と同様にご祈祷希望者のための合同祈祷の日になっており、ご本人の希望の願意にもとづいてご祈祷が行われます。

 

 

 

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